株式会社ヘルスエイド
優れたサプリメントの研究開発・製造・提供を通じ、人々の健康に貢献します
 
ホーム 利用規約 プライバシーポリシー サイトマップ お問合せ
 
  ホーム健康講座>健康中級講座---3・生活習慣と免疫力(3-3免疫系)
健康初級講座
健康中級講座
1・健康
2・栄養
3・生活習慣と免疫力
3-1神経系と内分泌系
3-2免疫力
3-3免疫系
3-4抗原とストレス
4・食生活の現状
5・食生活への提案

健康中級講座---3・生活習慣と免疫力

3−3 免疫系
■免疫とは
前項で、神経系と内分泌系の連携プレーについて考えましたが、これらにさらに連動するのが免疫系の働きです。免疫学の本当の意味でのスタートは1950年代に入ってからで、爆発的に進展したのが遺伝子の解析がスタートした1970年代です。ベルナールやキャノンの活躍した時代には、免疫学は未発達でしたが、免疫学の発展につれ、神経系・内分泌系・免疫系の三大システムの関連性が明らかになってきました。

私たちの体には、体外から侵入した異物や危険(有害)物質から身を守るために、免疫システムが備わっています。異物には、細菌、ウイルス、真菌のような微生物や回虫などの寄生虫といったいわゆる病原体のほか、がん細胞、移植された臓器や組織などがあり、これらを「抗原」とよびます。別の言い方をすると、「抗原」は体内で免疫反応を引き起こす物質です。抗原は微生物や、がん細胞の内部や表面に存在します。また花粉やある種の食物のように、その自体が抗原となることもあります。

免疫学では、自分を構成している物質(成分)を「自己」といい、そうでないものを「非自己」とよびます。免疫系とは、生体が「自己」と「非自己」を識別し、「非自己」を排除して「自己」を守り維持する機構(システム)です。この免疫系の働きを免疫と呼びます。免疫機能は20歳前後をピークの100%とすると、40歳代では約50%、70歳では約10%になるといわれています。

■免疫系は二重の防御システム
免疫系は、二重の防御システムで成り立っています。第一の防御システムは、私たちの体に生まれつき備わっている免疫系で、体内に侵入した「非自己」を無差別(非特異的)に排除する機能で、これを「自然免疫」とよびます。第一の防御システムを突破して侵入した抗原に特異的(無差別でなく相手を選んで)に発動されるが、第二の防御システムで、これを「獲得免疫」とよびます。

■自然免疫の一次防衛ライン
自然免疫には、一次防衛ラインと二次防衛ラインがあります。(図8)

自然免疫の一次防御ライン有害な微生物は、私たちの皮膚、呼吸器、消化器、泌尿器、生殖器から侵入します。これに対し私たちの体は、皮膚や粘膜の防御壁(バリアー)、涙、鼻汁、唾液と、これらの中にある殺菌作用をもつ酵素、くしゃみ、咳、呼吸器の上部や腸などの上皮細胞から分泌される粘液と繊毛(せんもう:上皮細胞の表面に生えている毛のようにみえる繊細な多数の突起)の運動、胃液(胃酸)、排尿、膣の酸、皮膚や粘膜にいる常在菌の存在などで、除菌、殺菌をして有害な微生物を防ぐ機能が備わっています。この機能が自然免疫の「一次防衛ライン」です。

この一次防衛ラインの主役は、免疫系の約60%を占めているといわれる腸の免疫機能(腸管免疫)です。この腸管免疫は、増え続けるアレルギー疾患を防ぐためにも、近年の免疫学が最も注目しているテーマの一つです。

一次防衛ラインをサポートするためには、抗原を除くために洗浄や清掃の習慣の他には、腸内環境の保全(腸内細菌フローラーの保全)をするためにプロバイオティクス(ビフィズス菌などの乳酸菌)と、これを増やすプレバイオティクス(食物繊維とオリゴ糖)の摂取を心がけることが大切と思います。

■自然免疫の二次防衛ライン
さて微生物などが、この一次防衛ラインを超えて体の組織に侵入すると、自然免疫の二次防衛ラインが機能します。この二次防衛ラインの主役が血液中の白血球です。まず自然免疫の二次防衛ラインと後述する第二の防御システム(獲得免疫)に参加する白血球のメンバーを見てみましょう。(表3)

  表3 血液と主な免疫細胞の分類

■トップバッターの好中球
二次防衛ラインのトップバッターの好中球は骨髄で毎日約1000億個生まれ、血中をパトロールして、炎症のおきた組織にいる細菌を発見すると貪食(どんしょく:食細胞が細菌などを細胞内に取りこむこと)し、活性酸素(スーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル)と、活性酸素が好中球中の塩素とむすびついて生みだされた次亜塩素酸(水道水の消毒に利用されている)によって殺菌します。(図9)

自然免疫の二次防除ライン一個の好中球は約25個の細菌を貪食、殺菌し2〜3日で死亡します。貪食しなかった好中球も菌も同じ寿命で死んでゆきます。化膿した傷口にみられる膿(うみ)には、炎症の起きた組織や戦死した細菌と役割を終えた好中球の死骸が含まれています。

死亡した好中球が出した活性酸素は組織の中に放出されます。私たちの細胞はひとつ一つが細胞膜で覆われていますが、この細胞膜を形成しているのは不飽和脂肪酸です。余分な活性酸素は、この不飽和脂肪酸を酸化させ、組織や遺伝子にダメージを与えます。

一方、私たちの体には余分な活性酸素を除去するために、抗酸化酵素(スーパーオキシドを消去するSOD:スーパーオキシド ディスムターゼ、また過酸化水素を消去するカタラーゼとグルタチオンペルオキシターゼなど)を作り出す機能が備わっています。

しかし、この抗酸化酵素は20歳をすぎるころから減少し40歳になると働き自体が衰えてきます。活性酸素は好中球やマクロファージが毎日作りだす他に、日常生活での過剰なストレス、強い紫外線、大気汚染、残留農薬、激しい運動、タバコの煙、栄養の過程などでも発生しますので、抗酸化酵素の負担が多くなり、さらに体内の抗酸化機能が低下することになります。したがって、この抗酸化酵素と同様の働きをする「抗酸化物質(アンチオキシダント)」を毎日摂取する必要があるのです。

■2番バッターはマクロファージ
トップバッターの好中球につづく2番バッターが、単球から分化した「マクロファージ」です。大食(たいしょく)細胞ともよばれ、好中球より大きく、寿命も数ヶ月から数年で、一個のマクロファージは100個以上の微生物を食べるといわれています。マクロファージは、血流に乗ってパトロールするほか、消化器、肺、肝臓などの臓器に分布していて、感染した組織に移動して貪食し活性酸素で殺菌するほか、古くなった赤血球など体内の老廃物の掃除も担当しています。
 
また、マクロファージは、微生物と戦いながら、「サイトカイン」とよばれる情報伝達物質の一つである「インターロイキン-1」をつくりだします。インターロイキン-1は、脳の視床下部にある発熱中枢に働いて体温をあげます。体温が上がると他の免疫細胞が活性化します。風邪での発熱は、マクロファージがウイルスと戦いながら他の免疫細胞を鼓舞している最中なのです。

したがって、特別の高温でない限り、解熱剤や抗菌(抗生)剤(風邪には無効で、ビフィズス菌などの腸内有用菌の多くを殺し免疫力を低下させます)を服用しないで、安静、保温、栄養成分の補給(アンチオキシダント、特にビタミンE・Cなど)が大切で、またその方が早く治ります。

マクロファージの他にも、単球から分化した「樹状細胞」とリンパ球から分化した「ナチュラルキラー細胞」が登場し、微生物や体内で毎日生まれているがん細胞などとの戦いを開始します。ナチュラルキラー細胞は、がん細胞やウイルスに感染した細胞を見つけしだい攻撃します。以上が第一の防御システムの概略です。
 
■第二の防御システム「獲得免疫」
この第一の防御システム、自然免疫をクリアーして侵入する微生物にたいする防御システムが、第二の防御システムといわれる「獲得免疫」です。自然免疫が非特異的で、数時間単位の速い対応をするのに対し、獲得免疫は特異的で数日単位の遅い応答をします。

獲得免疫で活躍する青文字で示したメンバーを、もう一度、表3で確認してみましょう。T細胞のTは分化の場所である心臓の上部にかぶさる様に位置している胸腺(チムス:thymus)の頭文字に由来し、役割に応じてヘルパーT細胞、キラーT細胞、サプレッサーT細胞に分類されます。骨髄の幹細胞で生まれた免疫細胞は、そのまま全身をまわって任務につきますが、T細胞だけは例外で、胸腺で訓練を受けて合格率3%という難関を突破し免疫細胞のエリート達です。

私たちの約60兆の細胞のひとつ一つの表面には、「自己のマーク」があります。この自己のマークは、いわば自己であることを示すパスポートで、これを「MHC抗原」といいます。免疫細胞も自己ですから、免疫細胞にもMHC抗原が備わっています。

T細胞は、幼い日のエリート候補生のときには、胸腺の中でこの自己のマークであるMHC抗原に触れ、MHC抗原とそうでないもの、つまり自己と非自己を見分ける訓練をうけてきたのです。この識別をクリアーできなかった95%以上のT細胞の候補生たちは、T細胞にあらかじめ埋め込まれているプログラムに従って自決(アポトーシス)をしたのです。

B細胞は脊髄(ボーン マロウ:bone marrow)の頭文字のBに由来し、脊髄で成熟しヘルパーT細胞の刺激をうけてプラズマ細胞となります。なおマクロファージと樹状細胞は、獲得免疫でもヘルパーT細胞のだすサイトカインによって活性化されて活動します。

■獲得免疫の第一、第二段階
獲得免疫の第一段階は抗原を捕らえることです。体内に侵入した微生物などの抗原は、自然免疫で活動したマクロファージと樹状細胞に加え、獲得免疫で登場するB細胞に捕らえられます。マクロファージと樹状細胞は、抗原に触って捕らえますが、B細胞は抗原を自分の細胞の表面にあるY字型のアンテナ(B細胞受容体)で捉えます。(図10)

獲得免疫の第一、第二段階獲得免疫の第二段階は捕らえた抗原をヘルパーT細胞やキラーT細胞に示すことで、これを抗原提示といいます。抗原提示をする免疫細胞は、マクロファージ、樹状細胞、B細胞で、これらを「抗原提示細胞」といいます。捕らえられた抗原は、消化され適当なサイズに分解(抗原の断片化)されます。抗原提示細胞は、小さく断片化された抗原を自己のMHC抗原の上に掲げます。

自己のMHC抗原に抗原の破片をのせた抗原提示細胞と、抗原の断片をのせてない抗原提示細胞とは構造が異なります。ヘルパーT細胞やキラーT細胞にとって、抗原の断片を乗せてない抗原提示細胞は「自己」ですが、抗原の断片を乗せた抗原提示細胞は「非自己」です。抗原を提示した非自己である抗原提示細胞を発見したヘルパーT細胞やキラーT細胞は、これを攻撃するために、この非自己である抗原提示細胞にくっつき(結合)ます。そして、この非自己の抗原提示細胞と結合したヘルパーT細胞は分裂し増殖を始め、いわゆるT細胞のクローンを次々と生み出すのです。

■獲得免疫の第三段階
獲得免疫の第三段階は、ヘルパーT細胞による指令です。増殖したヘルパーT細胞は、情報伝達物質であるサイトカインを放出します。このサイトカインによる指令は、キラーT細胞やマクロファージを活性化させる一方、B細胞も活性化させます。B細胞も増殖をはじめ、クローンを生み出します。B細胞はヘルパーT細胞のだすサイトカインによって、「プラズマ細胞」に分化、変身し、「抗体」を作り出し放出します。(図11)
 
獲得免疫の第三段階プラズマ細胞の放出した抗体は、カギとカギ穴のように、一種類の抗原としか対応できない、つまり抗原と特異的に結合するタンパク質です。抗体は免疫機能のあるタンパク質という意味から「免疫グロブリン(イムノグロブリン:immunogiobulin)とよばれ、通常はIgと略します。免疫グロブリンには、IgA、IgG,IgM,IgD,IgEの五種類があります。

さて、活性化されたキラー細胞は、ウイルスに感染された細胞を攻撃し、また、活性化されたマクロファージは自然免疫の第二防衛ラインで見たように、再度、抗原と戦います。プラズマ細胞から放出された抗体は、抗原を中和(毒素をやわらげ)したり、抗原と結合して、マクロファージや樹状細胞などが食べやすく(オプソニン化)したり、抗体の働きを補佐するタンパク質の「補体」を活性化し、抗原を撃退します。

■獲得免疫の第四段階
抗原との戦いの勝利がほぼ確定すると、「サプレサーT細胞」の出番です。サプレサーT細胞はヘルパーT細胞に攻撃の終了を進言し、ヘルパーT細胞の指令で戦いが終了します。さらに登場する免疫細胞が、この一回目の戦いを記憶し、次回の抗原の侵入に備える役割を担う、「メモリーB細胞」と「メモリーT細胞」です。この二つの免疫細胞は、次回にはさらに速く、強力に抗原を撃退する準備をはじめます。

記憶した特定の抗原に対する攻撃力が「獲得」されているわけで、私たちが「はしか」のように、同じ抗原に二度感染しにくいのは、この獲得免疫のおかげです。また、予防注射などで接種される「ワクチン」は、この仕組みを応用したものです。以上が獲得免疫の概要です。

■免疫システムの異常
自然免疫と獲得免疫の概要をのべましたが、非自己を排除して自己をまもる免疫システムが、逆にマイナスの働き(異常)をする三つの場合があります。一つは、自己に対し免疫反応を引きおこす、間接リウマチ、重症筋無力症などの「自己免疫疾患」で、二つ目が微生物などの侵入に適切な免疫反応を示すことのできない、エイズなどの「免疫不全疾患」。そして三つ目が、抗原への免疫反応が自己の正常な組織を傷つけてしまう、蕁麻疹、花粉症、喘息、アトピーなどの「アレルギー」反応です。いずれも免疫学の発展した割には、治療法が進化してない疾患です。

■リンパ器官
主なリンパ節 次に免疫系で活躍した免疫細胞の居場所を見てみましょう。私たちの全身に張りめぐらされている血管の先端にある毛細血管からは、つねに血液中の余分な水分などがしみ出ています。この水分など(リンパ液)を集めているのがリンパ管で、静脈により寄りそうように全身に張りめぐらされています。そのリンパ管が集まって特に太くなっている部分(喉やわきの下などにあるグリグリとしたかたまり)がリンパ節です。ここには免疫系で活躍する免疫細胞が密集しています。(図12)

脾臓は、循環系のフィルターとして体の中の不純物をとり除くほか、免疫細胞をストックしておく役目も担っています。脾臓は、いわば免疫細胞の溜まり場なのです。

免疫細胞は全身の血管をめぐった後、リンパ管の中をまわって、リンパ管と血管の合流点の「胸管」から再び血管に入ります。つまり免疫細胞は、血管→リンパ管→血管というルートで全身をめぐり、24時間休みなく役割を果たしているのです。


■胸腺の萎縮

免疫細胞のエリートであるT細胞の養成は、胸腺という密室で行われることはすでに述べました。この重要な役割を担う胸腺は、加齢と共に萎縮し、40代になると胸腺の大部分が脂肪に置きかわってしまい、実質的な細胞の量は10代のころの10%程度になってしまう、といわれています。(図13)
 
加齢による胸腺の変化 60歳以上の直接死因の約50%は何らかの感染症であるのは、胸腺の退化が免疫機能の衰えとなり、抗原に対する免疫力が低下してしまうからです。高齢者の感染症は、免疫力の衰えから高熱とならない場合があり、風邪やインフルエンザなど罹った際には注意が必要です。

生まれてまもなく萎縮をはじめる胸腺は、まさに「人生の時計仕掛け」です。誕生の前からプログラムされ、誕生と共に時を刻みはじめた「生命の時計」は、この瞬間も人生の幕引きに向かって静かに時を刻んでいます。そうであれば、我が命は「生命の時計」に「潔く」あずけて、今という瞬間を、今日とうい日を「アメニティ」に過ごして行こうと思えてきます。




前ページ次ページ

 


Copyright(C)2006 HEALTH AID Group.All Rights Reserved.